スイート・ホーム オフライン

小説原案エピソード(1)

スイート・ホーム本編ページには、いくつか挿絵を挿入しています。この挿絵は今回の小説に合わせ、イラストレーターさんに絵を起こしていただいたものです。

メインのイラスト(表紙にある、赤い屋根の家が左下にある遠景)も、陽皆が不安気にバスから窓の外を見るシーンも、すべて「小説のどの場面に、どんな絵を、どのような仕上げ方にするのがふさわしいか」を徹底的に議論し、それぞれのお話ごとに気持ちを一番伝えたい部分を抽出し、その場に合ったイラストを水彩絵の具で描きあげたものです。読者の皆さまお一人お一人が小説をお読みになられた際に思い浮かんだ情景と比較し、いかがでしたでしょうか?

水彩画は描き直しが極めて難しく、せっかく描いたのに「微妙に伝えたいイメージと一致しない」こともしばしば。そんな時は、原画イメージを尊重しつつCG処理を行います。

例えば、第三話で昇と陽皆がお父さんと向かい合うシーン。まずは、イラストを着色する前に下絵を決定いたします。この時点で例えば、父親の足元から緊迫感が伝わってこないのでやや足を開き気味にし、また、晴日にスリッパをはかせないことで「香田家の家の中」感を出そう、など詳細なシーンの設定を作り上げていきます。

下絵で構図が確定し、着色をしていきます。はじめのイラストはこんな感じでした。

しかし、そのままだとお父さんの緊張感が伝わってこないと思い、左手をぎゅっと握り締めるように加工しました。さらに、陽皆が隠れてしまっていたため、「2人で説得」という印象が表現仕切れていないという観点から、陽皆を少しだけ浅くいすに座らせました。 そしてできあがったのがこのイラスト。

最後に、テーブルの上の紅茶は冷めているので、湯気をとって完成したのがこのイラストです。

もちろん、最初のうちはイラストレーターさんに「もう少しこんなアングルで」「配色はこう」といった具合にお願いしますが、いったん完成したイラストに対しては、こんな処理を施すのです。

いかがですか?最初のイラストよりもぐっと緊張感が増していると思いませんか?

以上、挿絵が完成するまでのご紹介でした。