教育環境

山手フェスティバル2012

今年で19回目となる山手フェスティバルが、10月30日、山手台小学校で開催されました。生徒たちが約1ヶ月をかけて準備をすすめ、教室や体育館に手作りのお店を出す秋の大イベントです。9時15分、全教室のテレビに映し出された開会のあいさつと同時に、たくさんの生徒たちが元気よく教室から出てきました!この日のために作られた校内MAPを片手に、どんな順番でお店を回ろうか、友達と相談しながらそれぞれ気になるお店に向かいます。私も校内MAPをじっくり見て楽しそうなお店を探してみると・・・

2009年にくらしさいとスタッフが山手フェスティバルにお伺いさせていただいた時にはなかった企画やお店が数々ありました。宝探し迷路、フリースロー、ピンポンイン、ウルトラなぞなぞ、はてなたたき、ボールあて、ふたりで協力ゲーム、などさまざま!毎年このイベントが進化していることを感じわくわくしてきました。

とびきり楽しそうな生徒の笑顔に、いつもとは違う教室の飾りつけに、アイディアいっぱいの面白そうなお店。(私も遊んでみたいけど・・・参加してもいいのかな?)と、不安に思いながら広い校内をキョロキョロ見渡して歩いていると(廊下幅は6メートルもあります)お店のポスターを持って呼び込みをする生徒たちの姿が。「スライム作り面白いよ!」「ウルトラなぞなぞやってるよ!」「体育館にも遊びに来てね!」と声をかけてくれました!そのアットホームな雰囲気になんとも嬉しい気持ちになり、1階、2階、体育館と探検気分で歩き回ることに。約20もあるお店はバラエティに富んでいます。

さて、数々のお店を回って気になったことがありました。

気になったこと①

どのお店も店当番を、1年生から6年生までの生徒が一緒になってしている。これはクラスごとの出し物ではないらしい。

気になったこと②

どのお店もにぎわっていてお客さんが多いが、きちんと運営されているし全員参加で楽しそう!このチームワークの良さはどうやって培われてきたの?

気になったこと③

お店のほとんどが手作りのようだがどんな風に準備をすすめてきたのだろう。

気になったこと④

これだけの大きなイベント、先生方も大変だったのでは・・・?

これはぜひ、先生方にお話を聞いてみたい!ということで戸出先生と岡田先生にお話をお伺いしました。

題して、

  

~ 教えて先生! making of 山手フェスティバル ~

私:お店番は1年生から6年生まで色々な学年の生徒がいっしょになってされているようなのですが、どんなグループでお店を出しているのでしょうか?

戸出先生:1グループ約30名で、1年生から6年生まですべての学年の生徒がいます。

私:この日のために作られたグループなのでしょうか?

戸出先生:1学期のはじまり、4月に作られたグループです。山手台小学校では「縦割り活動」といって、異学年の生徒や、様々な生徒との交流を図ることを目的に、1年間同じグループで様々な行事をする活動があります。上級生は下級生の面倒をしっかりと見てくれますし、下級生は逆にそんな上級生の姿を見て「大きくなったらこういうことをするんだ」という目標を持ちますが、山手フェスティバルはその中の代表的なイベントです。

私:どこもぎわっていて、行列が出来ているお店もありました。それぞれのお店が生徒たちだけできちんと運営されていますが、このチームワークはどうやって発揮されるのでしょう。

岡田先生:6年生の果たしている役割が大きいですね。各グループの中にいる4~5名の6年生が準備からイベント当日まで下級生を引っ張ってくれます。先生から6年生に伝えるのは当日のタイムスケジュールくらいですが、「1年生にも分かるようにね」と一言添えるだけで、初めて山手フェスティバルに参加する1年生にも山手フェスティバルがどんなイベントでこれからみんなで何を準備するのか、分かりやすく伝える方法を自分たちで考えてくれました。

私:当日を迎えるまでにたくさんの準備があると思いますが、どんなことからスタートするのでしょう?

戸出先生:イベント当日の約半月前に各グループが集まって初めての打合せをします。この時、6年生が下級生に「どんな出し物をするのか」「みんながそれぞれ何を担当するのか」を発表しますが、事前に6年生が、何年生にどんな仕事をしてもらうか、お店を作るための材料をどんな風に分担して持ってくるかなど計画を立てるところから始まります。まずは自分たちで考えた後、担当の先生と打合せをして下級生に内容を伝えます。

岡田先生:みんなに分かってもらえるよう、打合せで発表する内容を自分たちで書き出していましたね。

戸出先生:仕事の役割分担についても、1年生には簡単な内容を振ったり、一緒について教えてあげたり、6年生は下級生のことを思って丁寧に説明してくれています。1年生にとっては、思いやりがあってとても優しくたのもしいお兄さんお姉さんに見えたのではないでしょうか。

私:1年生の2人組の生徒に「初めての山手フェスティバルたのしい?」と聞くと「6年生が優しく教えてくれるから楽しい」と笑顔で答えてくれて私の顔もほころびました。

戸出先生:いつも先生から学んで、先生に言われるとおりみんなといっせいに何かを取り組んでいる1年生にとっては、上級生から教えてもらってチャレンジすることは初めてです。何もかもが新鮮で楽しみながら取り組んでいるので、いつもなら諦めそうなことでも、お兄ちゃんお姉ちゃんたちが手助けしてくれたり思いやってくれると「がんばろう」という前向きな気持ちになるんでしょうね。

岡田先生:6年生は基本的に、全体を見つつも1年生と一緒に作業することが多いのですが、そんな風に忙しい6年生を支えてくれるのが5年生です。これまでの経験から、今しなくてはいけないことや次にすることなどを考えながら動いて下級生をまとめてくれます。4年生もまとめ役となってくれる5年生を支えます。

戸出先生:1年生、2年生、3年生もよくがんばっていました。元々素直な下級生ですが、上級生の説明が理解できないときも一生懸命話を聞こうとしますし、いつもとは違う顔を見せてくれます。「協力しあいながらみんなで準備をすすめる」ということを言わなくてもやってくれていました。そういったところに普段の授業にはない学びがあります。

私:なるほど。そうやって一生懸命になって、自然とみんなで協力しあって準備を進めてきた手作りのお店だから、当日もみんなが楽しそうなんですね。

戸出先生:そうですね。手作りのもう一つの狙いは、お金をかけずに簡単なものでみんなが楽しむにはどうすればよいかを考えることにあります。モノを自由に使っていいという考え方ではなく、限られた材料でどんな工夫をして楽しめるかを、子どもたちは先生といっしょに考えました。そうした工夫の中から、モノを大事にすることを覚えていきます。

岡田先生:山手フェスティバルの前日まで、お昼休みに教室のテレビでお店紹介のCMを放送していたのもたくさんの工夫の中の一つです。初めて参加する1年生や準備でバタバタする生徒たちが他のお店のことも知って、当日もめいっぱい楽しめるようにしようという考えで昨年から始めました。

私:一生懸命な生徒たちを支える先生方も大変だったのではないでしょうか?

岡田先生:生徒たちがなんでも自主的に取り組んでくれるので、大変というよりは見守りながら私たちも楽しんでいました。最後までケガもけんかもなくやり遂げてくれたことも嬉しいですね。

私:無事、山手フェスティバルが終わってどんなお気持ちでしょうか。

戸出先生:言われてやる作業より、自分たちで作り上げる作業はやりがいも大きいです。どの子もすごくイキイキした表情をしていました。自分たちの力で、自分たちが考えた新しいもの、大人に教えられたものではないものを作るという経験が出来るのは山手フェスティバルならではだと思います。生徒の人数が多くなるにつれ、全生徒で行事ごとをいっせいにするのは年々難しくなってきましたが、生徒たちがすごく楽しんでいる姿を見ると我々もがんばって続けて行かねばと改めて思いました。

私:ありがとうございました!

先生方にお話をお伺いして感じたこと。

誰かに言われてやるのではなく、自主的に取り組んでいるからもっと楽しい!

楽しんでいるからこそ積極的で一生懸命になる!

ひとりひとりが一生懸命だから、まわりのみんなを思いやることが出来る!

まわりのみんなを思いやることができるから、全員参加で楽しめる!

生徒みんなのイキイキとした表情の理由、みんなが仲良く楽しんでいる理由が分かりました。

この日撮影した写真を見ると、楽しかったシーンや生徒がかけてくれたことばを思い出して「来年もまた行かせていただきたいな・・・!」という気持ちになります。

先生方や保護者の方が見守る中、大盛況のうちに終わりの時間を迎えた山手フェスティバルは、校長先生の「みんなで協力し合って良いフェスティバルになりましたね。」の言葉と、当日の運営をお手伝いされた保護者の方、児童館の方へ生徒全員からの元気いっぱいの「ありがとうございました!」で締めくくられました。